憲法で読むアメリカ史(全)(kindle版)

抜群に面白い本である。タイトルを見ると、とても手に取る気はしなかった。実際、私が読み始めたのも、購入(ダウンロード)してから半年以上経ってからだ。


先住民との関係、奴隷制度問題など、アメリカ史の荒々しく暗い部分を、憲法という切り口で、シャープに且つ冷静に既述していく。でも決して無味乾燥ではないし、反対にセンセーショナルなトーンもないし、イデオロギー・オリエンティッドでもない、。とにかく読んでて実に面白いのだ。そこには化粧を施されていない素顔のアメリカの一面がくっきりと描かれている。

 

また、憲法を考える糧ともなる。連邦最高裁判所が具体的な訴訟をベースにして、アメリカ憲法の条文の解釈を行い、判例として積上げアメリカ史を導いていく様は、憲法に対する理解を深めてくれる。

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