アメリカ海兵隊

「アメリカ海兵隊 非営利組織の自己革新」野中郁次郎著(中公新書

「A Few Good Men」Tクルーズ、Dムーア、Jニコルソン

海軍とは違う、空軍でもない、もちろん陸軍でもない存在、海兵隊。出自、コアとなる価値観、歴史と変遷、置かれた環境を洞察しドメインと使命を自己変革していくこの強靭な組織を経営学の視点から切り取り記述した本を読んで、この映画を見た。本を読まなければ注意すら払わなかったであろう、映画で描かれている海兵隊、特に被告とされている2名の海兵隊員の発言、表情がよく分かる気がする。冒頭の軍楽隊のシーン、美しいブルージャケットなど、今ではしっかり印象に残る。

アメリカ海兵隊、太平洋戦争での日本軍との戦いを契機に方向性を明確にし、実践に移し、アメリカ軍にとって不可欠な存在として確固たる地位を築く。書籍の方ではガダルカナル、タラワ、硫黄島での戦いを淡々と記述しているが、日本軍の死者数の大きさ(数万人単位、東日本大地震より多いのだ!)、しかも投入された兵力は全滅という凄まじさで読み続けるのが辛い。そして現在沖縄に駐留する米軍のほとんどはこの海兵隊なのだ。

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