WW1

“The Guns in August”, by Barbara W. Tuchman (1962)

“The War That Ended Peace:  The Road to 1914”, by Margaret MacMillan (2013)

夏目漱石」(岩波新書十川信介

 

タックマン氏の著作はキューバ危機の判断の際にJFKが手元に置いていたという逸話もある古典。開戦に至る各国指導者の思惑と偶然の交錯、そして開戦直後の東方戦線(タンネンベルグの戦いによるロシア帝国の敗北)、西方戦線(独シュリーフェンプランの実行と頓挫)が地図類を豊富に交え分かりやすく描かれている。(元祖、塩野七生?)


マクミラン氏のそれは最近出版された同じくWW1モノ。1900年開催のパリ万博の記述から始まり、時代の空気と背景(モダニズムによる繁栄と貧富の差の拡大)、為政者の個人的な事情、各国の状況などが丹念に描かれ、1914年8月の列強相互の最後通牒布告で終わる。エピローグの最後の「(武力を用いないという)選択は常にある」という作者の記述が印象的。


さて、「夏目漱石」。1900年に熊本の五高からイギリスに文部省派遣の留学となり、パリ万博も見学している。帰国後、1905年に「吾輩は猫である」を発表、1916年没というから小説を発表したのは意外にもわずか10年でWW1勃発前に亡くなっている。

 

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