Lawrence in Arabia, by Anderson, Scott

世界的ベストセラー

 

瀕死のオスマン帝国ロシア帝国のグロテスクな戦い、石炭から石油というエネルギーの大転換と中東での大油田の発見、英仏の貪欲な帝国主義、英国の伝統的アマチュア外交官(サイクス)のあまりにも軽率な振舞いと約束、英領インドと英領エジプトの利害関係の衝突、シオニズム、1914年のイナゴの大発生、アナトリアとシリア、アルメニア人虐殺問題、読んでいて気が滅入る。

 

TEロレンスの生涯を描きながら、第一世界大戦下のシリアでイギリスが何をしたのか、そして生まれて間もないシオニズムの関わりが丁寧に描かれ、今まで複雑すぎて理解出来そうもなかったシリアが、この本を読んで僅かながら取っ掛かりの様なモノが掴めた気がする。

 

シリア、ヨルダン、レバノンイラク、そしてエジプトも全てオスマン帝国下。現在の国境線で作られた国々は今のところ悉く上手く行っていない。石油が無ければ、良かったのか?

 

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