Entries from 2017-01-01 to 1 year

「首都大学東京 オープンユニバーシティ講座 大コーカサスの世界・ジョージア(グルジア)編III」

「1956年3月のトビリシ事件(1956Tbilisi Riot)」と名付けられた事件をこの講義で知った。そうして、ゆっくりと1990年4月に見たトビリシの街の光景が記憶の底から浮かび上がってきた。 私はトビリシの中心地に居た。目の前ある大通りにはカー…

「チェルノブイリの祈り」スベトラーナ・アレクシエーヴィチ

一番最初に消火活動を行った消防士の妻、疎開を余儀なくされた人々、精神科医、現地での対応に駆り出されたアフガン帰りの兵士、居住禁止地区に舞い戻ってきた人々(サマショール)、いろいろな形の「チェルノブイリ人」が、それぞれのチェルノブイリを語り…

衆院選の結果を見ながら想う

子供の頃から他人と同じというのは嫌だった。他人と異なっていることを求めていた。 そうやって年を重ね還暦まであと3年余り。自分の投票する政治家が落選したり、支持する政党が多数派になれないのは、仕様がないということか…。

ダーク・プレース

ギリアン・フリンの小説「冥闇」を映画化したものらしい。ゴーン・ガールのときも恐ろしい思いをしたが、この映画でも同じ。 心の底にひっそりと潜む闇、自分の記憶さえ曖昧にする。嫌な思い出は忘れ去られたり、別のストーリーに書き換えられるということを…

アメリカ海兵隊

「アメリカ海兵隊 非営利組織の自己革新」野中郁次郎著(中公新書) 「A Few Good Men」Tクルーズ、Dムーア、Jニコルソン 海軍とは違う、空軍でもない、もちろん陸軍でもない存在、海兵隊。出自、コアとなる価値観、歴史と変遷、置かれた環境を洞察しドメイ…

新宿御苑、雨

何の予定もない雨の日曜日。自宅から歩いて新宿御苑まで行ってみた。新宿御苑周辺は意外とマンションが少なくない。利便性は抜群だし、新宿御苑を自分の庭と考えれば、穴場かもしれない。 雨の新宿御苑、人は少ないけど、新海監督の「言の葉の庭」ほどではな…

甲斐駒ケ岳黒戸尾根ルート

不安はあった。ヘッドランプを点けて山を歩くのは未経験、一泊二日のロングコースを日帰りし、そのまま睡魔と闘いながら三連休の中央高速の渋滞を耐え無事に家まで帰宅できるのか不安(私の車はマニュアル車)、ネットで情報を集めても不安は減らない。 が、…

「ドレフュス家の一世紀」平野新介著、朝日新書

定年退職後の自費出版の様かな?というのは余りにも酷評過ぎるとは思うけど、多分にそういう雰囲気を持つ本だと思いました。残念。

東京外国語大学オープンアカデミー「東欧・中欧の歴史と記憶」

講座名「歴史と記憶」というフレーズから想像されるように、伝統的な「歴史」ではなく、「集合的記憶」としての歴史という切り口で、東欧中欧の歴史にアプローチする試み。久々にアカデミックなアプローチで歴史を学ぶ機会を得て、良い刺激となりました。 第…

妙高山登山

首都圏から遠いせいか、登山の対象と考えてこなかった妙高山、遅い夏休みでを利用して、登頂してきた。前日までに上越高田に入り、ホテルでゆっくりと朝食をとってから車で赤倉まで移動。赤倉からはスカイゲート(ロープウエイ)を使って一気に高度を稼ぎ山…

極北

「極北」マーセル・セロー著(村上春樹訳) 帯には「極寒の迷宮、極限の孤絶 予断を揺さぶる圧倒的な小説世界ー」とある。プロアマ問わず、書評もたくさんある。 私が気になったのは、地球の年齢とこの小説に描かれている年代に関する記述である。登場人物に…

The Almost Nearly Perfect People

(「北欧諸国の民族性をネタにした軽い読みものだろう」と)期待値が低かったせいかもしれないけど、かなり面白く読めましたし、あれこれ考えを巡らす切っ掛けをもらいました。 l Swedenは一種の全体主義国家ではないか?という著者(デンマーク人のパートナ…

「雪の轍」

映画「雪の轍」 冬のカッパドキアを舞台にしたトルコ映画。暗くて重い。タフで渋い。 主人公と妹との相手を切り刻む様な会話、妻との厳しいやり取り、陰鬱な冬のカッパドキアを背景にゆっくりと時間は過ぎる。

アメリカの一方的TPP離脱と韓国の慰安婦像問題

アメリカは大統領が変わると、一方的にTPPから離脱を宣言し、それに対して各国とも特段避難をしていない様に思われる。そうであれば、韓国も大統領が変われば、合意済みの慰安婦像関連の約束が破棄されても、どうしようもないということか? まあ、慰安婦像…

「数学の大統一に挑む 」エドワード・フレンケル

面白い。「フェルマーの最終定理」と合わせて読むと、より面白いと思う。数学の話はほぼ全く理解できなかったけど、何かとても面白そうなことが、数学の世界で起きていることは理解できたように思う。純粋に理論だけの、記号の世界。だけどそれは、おそらく…