Entries from 2021-05-01 to 1 month

「密やかな結晶」小川洋子(講談社文庫)

文章にフリルが多すぎる、それらのひとつひとつの表現はとても美しいのだけれども。 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」に似てるかも。 そんなことはさておき、 私自身の記憶は、「真っ暗な台所と真っ赤な竈門の火」まで遡ることができる。多分…

「<イスラーム世界>とは何か 「新しい世界史」を描く」羽田正(講談社学術文庫)

これほどまでにラディカルで自身の研究に対して建設的且つ批判的になれる歴史学者を私は知らない。 「イスラーム世界」の意味するところを真摯に探究し、一定の手応えを感じて本書のオリジナルが出版されたのが2005年。それから15年後の2020年末に文庫本化さ…

「ヒトラー演説 熱狂の真実」高田博行著(中公新書)

ヒトラーの全演説で使われている単語、フレーズを統計的に分析するということで、面白い結論を期待して読んだが、少々期待外れ。ナチ党による政権獲得までと、獲得後のヒトラーの演説に現れる単語・フレーズの分析は、それ自身で何かを語るというよりは、歴…

ニュースを読む

このところ、連日インドでのコロナの猛威が報道されている。特に医療用酸素不足が強調されている。 酸素不足以外は特に問題はないということなのか?それとも、酸素不足にも関わらず、自動車産業を始めとする産業側が限られた酸素の確保を執拗に求めるため、…