Kristalnacht

騎士団長殺し村上春樹

“Whiplash: How to Survive Our Faster Future”, Ito Joi etc

村上春樹の作品はしばらく手にしていなかった。「海辺のカフカ」以来だと思う。物語のトーンは相変わらずで、結構ウンザリする部分も少なくない。でも一旦読み始めると物語に引きずり込まれる。そして、極たまにハッとさせられるフレーズに出くわすのだ。彼の作品は徹頭徹尾自己自身の物語であり、主人公はユニークだけど特別な技能を持っており、組織に属さないで生計を立てていくことが出来る。「システム」に抗う武器を持っているのだ。憧れないわけにはいかない。

さて、「水晶の夜」。「騎士団長殺し」の中でナチス初期のこの事件が語られる。そのこと自体に驚きはない。偶然並行して読んでいたメディア・ラボの本に同じ事件が出て来たのでかなり驚かされた。偶然だけど、偶然だからこそ心が揺り動かされたのだ。

 

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