「ヒトラー演説 熱狂の真実」高田博行著(中公新書)

ヒトラーの全演説で使われている単語、フレーズを統計的に分析するということで、面白い結論を期待して読んだが、少々期待外れ。ナチ党による政権獲得までと、獲得後のヒトラーの演説に現れる単語・フレーズの分析は、それ自身で何かを語るというよりは、歴史の流れをヒトラーの演説から裏付けることはできるのかもしれない。

ナチ党の政権奪取は必ずしも一本調子で順調に進んだわけではない。第一党になった後は強引に法律改正して共産党を非合法化し、共産党議席をそのままナチ党が奪って国会の過半数を握った経緯、そして「全権委任法」を成立させてナチ党が立法権を議会から奪った経緯、なぜドイツ国民はそれを止められなかったのか。。。

 

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