プーチン論文

ロシア語オリジナルは↓

http://www.kremlin.ru/events/president/news/66181

抄訳と解説はこちら↓

https://globe.asahi.com/article/14405289

 

18-19世紀に欧州で確立した国民国家(ネイション・ステート)とは異なる歴史的経緯を経て現在に至るロシア(中国も然り)。

 

国民国家のために武器を持って戦うというマインドは経済発展と人々の福利厚生向上に貢献するところ大きいと思うが、副作用もまた著しく大きいということか。。。ベネディクト・アンダーソンの著者を読む必要を感じる。

 

 

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「中世都市」アンリ・ピレンヌ(講談社学術文庫)

「13世紀にコミューンに建立された素晴らしい司教座聖堂は、市民がその建立に寄与した際の喜びに溢れた熱心さを抜きにしては、考えることができないであろう。それは単に神の館ではない。それは、司教座聖堂をその最も美しい装飾とし、そして司教座聖堂の荘厳な塔が遠くの方にその存在を告知しているところの都市をほめたたえるものである。中世の都市にとってそれは、古代の都市にとって神殿がそうであったところのものであった」(209ページ)

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「叙任権闘争」オーギュスタン・フリシュ(ちくま学芸文庫)

日本を離れる前に早稲田の書店で偶々手にして購入。思い掛けず、自分の興味にピタリとハマる内容。

高校の世界史で教わった「カノッサの屈辱」、教科書・参考書を読んでも、教師の説明を聞いてもピンと来ない、何だかよく分からない歴史上の出来事が、この書籍のおかげでこの事件の意味するところが少し分かって来た感じです。

更に、叙任権を巡る教会と俗権という両者の主張が全く相容れない中で、数十年をかけて合意点を探り、文書の形で合意し、実際に履行された様は、学ぶところも多い。

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ベイシックインカム

予てからの金融緩和(Quantitative Easining)に加えて、最近は資源高、原材料高、運賃高、といったコストアップ要因をビジネスの場でひしひしと感じ始めている。

 

今後は、卸売物価だけではなく徐々に消費者物価にもその影響が出て、臨界点を超えたら一気に物価高騰(ハイパーインフレ)が起きるのではないかという危惧を感じ始めている。それはどのような状況なのだろうか?

 

おそらく、お互いの因果関係は複雑に絡み合っているので、何が原因で何が起こるかを予測することは私には出来ないし、何がトリガーとなってハイパーインフレになるのか分からないが、起こりそうなシナリオ(状況)を想像してみた。

 

·        原材料費アップ、その価格転嫁は容易ではないので、収益を圧迫

·        人件費アップ圧力により、収益圧迫

·        消費者物価アップにより、購買力低下

·        需要低下により、企業の収益を圧迫

·        いわゆる不況状態となる

·        財政政策と金融政策はあるのか?

·        金利がゼロ状態に張り付いており、金利調整という実行可能な金融政策無し

量的緩和はどうか?それに関連した財政政策はどうか?いままでの問題は、国債発行・買取にせよ、株式買い入れにせよ、需要喚起につながらなかった。なぜか?それは、これらの施策によるフレッシュマネーの注入方法が適切でなかったためであろう。すなわち、今までの施策による方法では、フレッシュマネーは大手企業あるいは資本家に入るが、大手企業は保守的な財務対応をするので、積極的な在庫投資、設備投資を行わない。資本家は、すでに生活は満ち足りており、新たなキャッシュを受け取っても消費しない。別の金融商品に置き換えるだけである。つまり、今までのやり方では、消費を行うミドル層以下の消費者にキャッシュが行き渡らないのだ。

ではどうすればよいのだろうか?10万円を配っても期待していたほど消費されなかったというデータがあるらしい。慎まくなんとかやりくりしてた家計にとっては、思いがけない10万円は消費すべきものではなく、将来に備えて貯蓄すべきものとなったようだ。One-Offでお金を配っても効果は無いのだ。減税はどうだろうか?One-Offではないという意味では、10万円より効果はあるかもしれないが、キャッシュの流れを促す効果は薄い。ネットで同じでも、キャッシュを動かすことが大切なのだ。

継続的に効果的にキャッシュを動かす仕組みは無いだろうか?こう考えてくると、「ベーシックインカム」が良さそうに思う。これなら広くあまねく多くの人にキャッシュが行き渡り人々も安心して必要に応じて適切な消費を行うことができる。できれば、一切の例外なくベーシックインカムを適用し、年金も生活保護もまとめてしまえば、シンプルで良いと思う。

予てからの金融緩和(Quantitative Easining)に加えて、最近は資源高、原材料高、運賃高、といったコストアップ要因をビジネスの場でひしひしと感じ始めている。 今後は、卸売物価だけではなく徐々に消費者物価にもその影響が出て、臨界点を超えたら一気に物価高騰(ハイパーインフレ)が起きるのではないかという危惧を感じ始めている。それはどのような状況なのだろうか? おそらく、お互いの因果関係は複雑に絡み合っているので、何が原因で何が起こるかを予測することは私には出来ないし、何がトリガーとなってハイパーインフレになるのか分からないが、起こりそうなシナリオ(状況)を想像してみた。 · 原材料費アップ、その価格転嫁は容易ではないので、収益を圧迫 · 人件費アップ圧力により、収益圧迫 · 消費者物価アップにより、購買力低下 · 需要低下により、企業の収益を圧迫 · いわゆる不況状態となる · 財政政策と金融政策はあるのか? · 金利がゼロ状態に張り付いており、金利調整という実行可能な金融政策無し · 量的緩和はどうか?それに関連した財政政策はどうか?いままでの問題は、国債発行・買取にせよ、株式買い入れにせよ、需要喚起につながらなかった。なぜか?それは、これらの施策によるフレッシュマネーの注入方法が適切でなかったためであろう。すなわち、今までの施策による方法では、フレッシュマネーは大手企業あるいは資本家に入るが、大手企業は保守的な財務対応をするので、積極的な在庫投資、設備投資を行わない。資本家は、すでに生活は満ち足りており、新たなキャッシュを受け取っても消費しない。別の金融商品に置き換えるだけである。つまり、今までのやり方では、消費を行うミドル層以下の消費者にキャッシュが行き渡らないのだ。 · ではどうすればよいのだろうか?10万円を配っても期待していたほど消費されなかったというデータがあるらしい。慎まくなんとかやりくりしてた家計にとっては、思いがけない10万円は消費すべきものではなく、将来に備えて貯蓄すべきものとなったようだ。One-Offでお金を配っても効果は無いのだ。減税はどうだろうか?One-Offではないという意味では、10万円より効果はあるかもしれないが、キャッシュの流れを促す効果は薄い。ネットで同じでも、キャッシュを動かすことが大切なのだ。 · 継続的に効果的にキャッシュを動かす仕組みは無いだろうか?こう考えてくると、私が最後に行き着くのは「ベーシックインカム」だ。これなら広くあまねく多くの人にキャッシュが行き渡り、人々も安心して必要に応じて適切な消費を行うことができる。できれば、一切の例外なくベーシックインカムを適用し、年金も生活保護もまとめてしまえば、シンプルで良いと思う。

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アメリカの政治制度は中国の政治制度より優れているのか?

民主主義国家がそうでない国家よりも優れているのか?端的に言えば、アメリカのような国家形態が中国やロシアより優れているのか?人々にとってより望ましいのか?人々の期待や願いをより幅広くくみ取り、政策に反映することができる仕組みなのか?一般の人々にとって、アメリカのような国家に住むことが、中国やロシアのような国家よりも幸せなのか?

中国は住んだことも、行ったこともないからわからない。アメリカもNY数日間旅行で行っただけなのでよく分からない。ロシアは合計10年以上住んだことがある。普通の人々にとって、それほど窮屈ではないし、幸せを感じられない体制ではなかったように思う。

アメリカの大統領性は国のリーダーを選ぶ仕組みとして優れているのか?トランプ、バイデンを見ているとそうとも言えない気がする。議員内閣制度はどうだろうか?安倍、菅を総理総裁に選んでしまっている。二世議員の多さを見ても、半ば世襲の色彩すらある。彼らは国のリーダーとしてプーチンより劣っている様に見える。

 

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Последнее Испитание

様々なエピソードが散りばめられている深みのある映画。

舞台となった劇場で演じられる予定であったのは「ロミオとジュリエット」、これを「親たちの世代の憎しみが、子供たちの世代へ苦しみをもたらす」という角度から、ロシアとチェチェンの紛争の歴史と重ねている。

事件発生後、解放される人質がいる。先ずは妊婦、そして外国人たち。「外国人」ということで席を立ったアルメニア人は即座に拒否され、自分はロシアのパスポートを持っているから外国人では無いと言ったオセチア人は、お前はグルジア人だからさっさと外へ出ろと促される。ロシアの複雑な民族問題が垣間見える。

この映画のヒーロー、ヒロインは今ひとつ良くわからないが、一介の歴史の女性教師が主要な役割を果たしていることは間違いない。しっかりとした知識に基づく歴史認識と宗教観。こういうのを教養というのだろう。十字軍はキリスト教徒による侵略であり、それを迎え撃ったサラディンを称えており、一般的なアメリカ映画には見られないレベルの高さである。「神はひとつ、預言者が異なるだけ」という彼女の教え子である若い父親の発言も印象的。

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邦題は「パニック・イン・ミュージアム」というロシアの映画。原題のロシア語を直訳すると「最後の試み」。